■フォーラム
自立循環型住宅研究会では春と秋の年2回、全国の会員が集まる1泊2日のフォーラムを開催しています。フォーラムは研究会が発足した2007年12月以前に開催されたものを含めると現在までに5回開催しており、2009年12月には第6回フォーラムの開催を計画しています。
これまでのフォーラムでは、
地球温暖化防止や省エネに係わる住宅政策の最新情報や住宅の温熱環境・断熱遮熱性能・省エネルギーなどに関する様々な情報提供を行っています。
また、毎回数名の参加者から、自立循環型住宅評価を行った住宅について直近の冬・夏の室内温湿度や表面温度の測定と住まい手アンケートから快適性を分析し、環境家計簿からエネルギー消費量を分析した結果を事例発表して頂いています。
更に、それらのデータを基に参加者が10名程度のグループになって、各物件の意見交換をすることで自立循環型住宅と13の要素技術や実物件におけるその効果や住宅内の温湿度環境変化などへの理解を深めるワークショップを行っています。
■『自立循環研版 温熱環境を解く』
住宅の消費エネルギーや温熱環境などの調査結果を分析し、それを正確にとらえ、実務につなげる為には、温熱環境やエネルギーに関する基礎的な理解が不可欠です。また、省エネルギーに取り組む時には、根本的な問題である地球温暖化などの環境に関する基本的な理解も不可欠です。
しかし、現状として手に入る温熱環境やエネルギーに関する書籍は、建築実務者にとって"帯に短しタスキに長し"というのが実情です。そこで「建築実務者にとって過不足ない、温熱環境の基礎的理解のためのテキスト」の作成を目指しました。
作成においてはWG(ワーキンググループ)のメンバーを募り、複数の人が関わりながら進めていくという方法を取りました。最終的には15名のメンバーで資料収集から執筆作業までを行い、充実した内容のものが出来上がりました。
また、第4回、第5回のフォーラムにテキスト内容について、各項の執筆者から解説が行われました。現在、このテキストは会員専用ページよりダウンロードすることが出来ます。
また、2010年の出版を目標にWGにて改めて内容の精査を行っていきます。
現在のテキストの目次は以下の様になっています。
Ⅰ 基礎編
1.熱と温度 2.湿気と湿度 3.エネルギー 4.温熱的快適性 5.気象 6.環境問題
Ⅱ 実務編
1.住宅性能の指標とその計算法 2.夏、冬の室内環境を整える 3.暖房方法と暖房負荷 4.パッシブソーラー 5.給湯設備
Ⅲ 資料編
Ⅳ 『自立循環型住宅への設計ガイドライン』と自立循環型住宅研究会
■自立循環型住宅研究会アワード(自立研アワード)
これまでの研究会の活動で得た情報や会員の皆様の積極的な取り組みを、同じ志を持った住宅づくりに関わる方々や省エネで快適な住宅を求めている一般の方々に知って頂き、活動の輪を広げ、省エネルギーと快適性を両立させる住まいを普及させるために、2009年12月の第6回フォーラムから毎年1回自立研アワードを開催します。
自立研アワードでは、自立循環型住宅の考え方に則った実物件や活動などの提案・成果・結果を、フォーラムに参加する実務者の皆さんと専門家のゲスト審査員と共に審査し、「自立循環型住宅研究会大賞」や各賞を選出し授与します。
■住宅・建築物省CO2推進モデル事業
自立循環型住宅研究会より『住宅・建築物省CO2推進モデル事業』の平成21年度第2回に応募しました。応募プロジェクト名は「基準達成率110%省エネ住宅地域工務店モデル 普及プロジェクト」です。
このプロジェクトは、省エネ法の改正により年間150棟以上の戸建住宅を提供する事業者に義務付けられたエネルギー消費量の基準達成率100%に対して、研究会のプロジェクト参加地域工務店が基準達成率110%を満たす省エネ性能の住宅を、各地域環境に最適な手法を使った地域工務店モデルとして全国各地域で展開し、全国の工務店がより省エネ住宅へ向かい易くし、省エネ住宅を普及させるというものです。
現在、書類審査は通過し、10月中旬にヒアリング審査を経て11月には採択についての最終結果が出る予定です。採択されれば21・22年度にこのプロジェクトを実施します。
また、2010年度の募集に向けて「省CO2マネジメントシステムの整備」および「省CO2に関する技術の検証」分野での事業提案を行うべく、提案の詳細を検討するWGも今年から動き始めます。
こちらの事業は、Ⅳ地域、Ⅴ地域の多くの地域で業務を行っている会員がそれぞれの地域で「省CO2型住宅の地域モデル」を普及させることを支援する為のツール整備を行う計画です。これにより、一般ユーザーにとっては、実際に建設された住宅の具体のみならず、事前に「省CO2、快適性・利便性の向上、光熱費の削減」に対する情報を得て住宅供給者を選び、家づくりを進めていくというあり方が「あたり前」になっていくことが期待されます。
■地域支部での活動
これまで全国の会員さんを一同に集めて行ってきた活動の一部をより各地域環境に目を向けた活動にし、それぞれの地域に合った活動を展開していくために、地域支部の設立と活動を自立循環型住宅研究会全体として支援していく体制を作っていきます。
関東支部:設立が決まり、2009年7月28日に東京で開催された野池学校にて関東支部設立の発表が行われました。現在は、具体的な活動内容として、自立循環型住宅と温熱環境の基礎を理解する為の導入セミナーの開催を検討している段階です。
九州支部・その他:設立を検討中