2009/12/19第6回フォーラム報告

自立研第6回フォーラム報告

第6回フォーラム及び自立研アワード2009の報告

12月2・3日にチサンホテル新大阪にて、自立循環型住宅研究会 第6回フォーラムを開催しました。
今回は78名の方にご参加頂きました。

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今回は自立循環型住宅の開発者である澤地孝男さん((独)建築研究所 環境研究グループ長)に2日間お付き合い頂き、講演をはじめ様々な場面で、自立研や工務店・設計事務所の活動に対してご意見を頂きました。

2日間を通しての第1部は「自立循環型住宅と地域の工務店・設計事務所」をテーマに澤地さんに基調講演をして頂きました。

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自立循環型住宅の開発は、住宅のエネルギー消費と省エネ手法効果が実際の生活の中でどの様になっているのかも殆ど解明されていなかったところから始まったそうです。
従来の研究手法(実態調査・シミュレーション・従来の実験住宅)では知る事の出来なかったそれらの情報を、基準住宅と比較住宅の2戸の実験住宅内に、想定家族一人一人の生活状況を再現させて、通年で様々なデータを取っていくことで、自立循環型住宅の設計手法が作られたそうです。
講演では、その研究の中で得られた結果を示して頂きながら、エアコンのCOPと外気温・負荷率の関係や、床暖房に使う給湯機選択のポイント、換気設備の性能など実際に住宅を設計・施工していく上で参考になる多くの情報をお話し頂きました。また、住宅事業建築主判断基準のWEBプログラムについてのお話しも有りました。
最後に今回のテーマに係わる内容として「地場・伝統の家づくりの基盤としてのパッシブ技術」について、以前、建築技術2002年10月号で澤地さんが執筆された内容を、今回の為に改めて再考して頂きお話しして頂きました。
そこでは、「地元の造り手の主張が存続できて地域性が残る」という考え方と「地場・伝統の家づくりの長所と短所」についての話から、まとめとして
「地域性豊かな住宅が生まれることは、生活文化を魅力あるものにする上で重要であることには大方の人の賛成が得られよう。問題は住宅の地域性はどのようにして作り残すことができるのかという点である。
そのためには、過去の地域性のある建物を単にコピーするのではなく、環境性能を中心とした家づくりの理屈を修得して、社会的状態に呼応して変化する住宅周辺事情を考慮した新たな解を作ることが、地域の住宅建設実務家に求められている。温暖地の地域性豊かな住宅づくりにおいては、断熱と通風を中心とするパッシブ技術の理屈の修得が優先されるべきである。」
という言葉を頂きました。
自立循環型住宅を研究されている澤地さんから、省エネ×快適な住まいづくりを目指し活動している各地の住宅建築実務者の皆さんへの、取組むべき方向と激励を最後に頂いた様な基調講演でした。

第2・3部は自立循環型住宅研究会アワード2009の応募内容のプレゼンテーションを10名の応募者の方に行って頂きました。応募タイトルと応募者は下表の通りです。

エントリーNo./タイトル/応募者

1/宗像市S邸                         /空設計工房 江藤眞理子
2/土壁の住まいの可能性                  /トヨダヤスシ建築設計事務所 豊田保之
3/省エネで快適な住まいづくり               /株式会社参創ハウテック 阿式信英
4/住宅のエネルギー性能評価ツールの開発とその評価/森林文化アカデミー木造建築スタジオ 辻充孝
5/既存木造住宅改修における住環境整備        /常盤工業株式会社 中村利夫・松島弘幸
6/リフォーム例からみた断熱改修のポイントと課題   /米谷良章設計工房 米谷良章
7/既存住宅の温熱環境改善プロジェクト         /有限会社MOK-msd 葉賀伸子
8/性能と光熱費と既存性能測定              /ベーシック設計事務所 古澤金子
9/住まいの温熱調査・分析とそこから見えてくるもの  /株式会社ザイソウハウス 辻裕介
10/簡易版HEMS「省エネナビ」の実践と効果の検証  /エコワークス株式会社 山下大輔

それぞれプレゼンテーション20分質疑応答10分で各内容に野池さんと澤地さんからの講評を頂きました。
今回は新築物件が3名、改修物件が3名、複数棟の比較分析が3名、プログラムソフトの開発検証が1名と、応募内容が非常に幅広く、様々な取り組みやその分析を皆さんに発表して頂きました。参加者の皆さんにとっては、今後の建築実務の中で活かせる設計手法や改修の考え方、建設後の住まい手との係わり方など、貴重な情報が多かったと思います。

第4部はこれまでのフォーラム同様、発表物件毎にグループを作って意見交換を行うことで理解を深めるワークショップを行い、その後、各グループにその内容を発表して頂きました。

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そして最後は、今年の自立研アワードの発表と表彰を行いました。
今回の自立研アワードは参加者全員の各1票と澤地さん・野池さんの20票の投票結果で各賞を選出する方法を取りました。
その結果は次の通りです。

☆☆☆大賞☆☆☆
『リフォーム例からみた断熱改修のポイントと課題』 米谷良章設計工房 米谷良章
 ☆☆銀賞☆☆
『住宅のエネルギー性能評価ツールの開発とその評価』 森林文化アカデミー木造建築スタジオ 辻充孝
  ☆銅賞☆
『住まいの温熱調査・分析とそこから見えてくるもの』 株式会社ザイソウハウス 辻裕介
☆ゲスト審査員賞☆
『土壁の住まいの可能性』 トヨダヤスシ建築設計事務所 豊田保之

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更に今年は、副賞として大賞の米谷さんには断熱材「フェノバボード 1棟分」が積水化学工業株式会社さんより、銀賞の木造建築スタジオには「温湿度データロガー+放射温度計」がOMソーラー株式会社さんより、銅賞とゲスト審査員賞のお二人には「野池新聞 来年1年分」が贈られました。

今回初めての試みだった自立研アワードは多くの方の応募と、発表を真剣に聞く参加者の皆さん、副賞を提供頂いた会員企業の方のおかげで成功させることができました。
来年の自立研アワードもより多くの方に係わって頂き、自立研の存在と活動意義を多くの方に伝えていきたいと思いますので、今後も皆さんに積極的に自立研の活動に係わって頂きたいと思います。


以上が自立研 第6回フォーラム 及び 自立研アワード2009 の開催報告になります。

また、2日間の中で来年2010年の自立研の活動についての説明を資料配布という形で行いました。
その内容は →→→こちら←←← でご確認いただけます。
今回のフォーラムにご参加頂けなかった会員の方は、来年以降の活動内容を知る事ができますので、是非とも内容をご確認ください。

また、2009年収支決算報告書案(2009.12.1時点)も皆さんに配布しました。
→→→2009年決算報告書(案)はこちら←←← ファイル 114-7.pdf

最終的には細かい部分で修正が発生するかと思いますが、細かな変更内容に関しては事務局に一任して頂きますようお願いいたします。なお、会員の方は内容をご確認いただき、ご質問などが有る場合は事務局までご連絡下さい。

 

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コメント: 1
  • #1

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