2010/12/1 2010年の報告と2011年の活動

2010年の報告と2011年の活動

自立循環型住宅研究会 2010年の報告と2011年の活動について
                                         2010年12月1日
                                        事務局 坂崎有祐

まず、改めて当会に期待されていることは、昨年のフォーラムで主宰者の野池さんより配布された「自立循環型住宅研究会のこれから」に記載されている以下の点であると考えています。
A) 実務に使える温熱環境や省エネルギーに関連した情報の収集
B) 自社の取組の評価(提供物件の分析方法の取得、実践の発表の場の存在など)
C) 営業やプレゼンなどに使えるツールの取得
D) わが国の省エネルギー住宅に向かう実践者の集まりとして、社会的な影響力を持つ
E) 本会がメジャーになってくることにより、顧客獲得につながる

そしてこれに応える為に、今年は以下の具体的な活動を行ってきました。
1)全体フォーラム
 自立研アワードには昨年と同数の10件の応募を頂きました。事例発表をはじめ温熱環境省エネルギー設計や実施に関して、幅広い活動事例の発表をして頂くことができ、参加者にとっては実物件から得られる貴重な情報を共有できたのではないかと思います。また、同じような課題や目標をもって活動し、発表される会員から刺激を受けることで、今後の会員各社の活動の後押しになればと思います。

2)地域支部の活動
 昨年末から準備が行われていましたが、関東支部運営委員が中心となり、自立循環型住宅関東ゼミが年4回開催されました。関東地域の会員は勿論、非会員の方にも参加の輪が徐々に広がってきています。来年の年間計画もほぼ出来上がり、関東地域では更に有意義な支部活動が行われる予定です。

3)自立循環型住宅の講習会・プロ向けの温熱セミナー
 自立循環型住宅設計のスタートに必要な「自立循環型住宅設計講習会」を東京と名古屋で開催し、延べ約120名に参加して頂きました。また、これまでの自立循環型住宅評価プログラムの改訂版となる「住宅のエネルギー性能評価ツール」の解説セミナーを東京、名古屋、大阪で開催し延べ約100名の方に参加頂きました。

4)シミュレーションプログラムの開発
 設計内容から建物内の温熱環境、快適性、エネルギー消費、コストなどが把握でき、実務で直ぐに使えて、分かりやすく伝えられるプレゼンテーションツールを作るため、これまで5回の有志によるワーキンググループ会議を行いました。現在は、バックデータとなる膨大な数の詳細なシミュレーションを進めています。来年の春にはVer.1を公開できる様に作業を進めています。

5)「(仮)自立循環研版 温熱環境を解く」の出版
 主宰の野池さんが統括する形で、温熱環境省エネルギー設計の為の、本当に実務で使える書籍を作成しています。「住宅の省エネルギー基準の解説(IBEC)」や「自立循環型住宅への設計ガイドライン(IBEC)」と並ぶ書籍として野池さんを始めWGメンバーが膨大な時間を費やしたこの本は来年1月には出版される予定です。

6)その他
 住宅建築省CO2モデル先導事業へは、態勢的な事情から今年は応募を見送りました。


改めて、期待されていることと今年行った本会の活動を振り返ると、各ワーキングループでの活動や支部活動が能動的に展開されており、局所的には中身の濃い活動を行うことができた1年であったと思います。一方、全体フォーラムが年1回となり、支部活動が関東地域のみの状態であるため、本会にかかわる会員各社に対して温熱環境省エネルギー設計に向かう機会を満遍なく提供できていないという課題が出てきました。

そこで来年は、継続するこれまでの活動を補完する形で新たに次の点に取組むことで、会員各社が「省エネ×快適となる住まい」の模索と実践を行える様に活動していこうと考えています。

Ⅰ)支部活動の増強
 年1回の全体フォーラム以外に、会員が年間を通して継続的に参加できる活動の場を提供する為に、西日本地域で支部を立ち上げ、活動を行いたいと思います。その為には有志の会員に能動的に支部活動の運営に係わって頂きたいと考えていますし、それが無ければ地域での支部活動は行えないというのが実際だと思います。
 初めの立ち上げは事務局と一緒に行い、その後の運営の仕方やプログラムは初めは関東支部を参考にして、その後地域会員のニーズに合った活動を行えるようにしていければと思います。

Ⅱ)一般向けの情報提供
 本会が社会的な影響力を高めて、志を共にする会員の顧客獲得に繋がる活動として、今年は一般の住まい手向けの自立循環型住宅セミナーを行いたいと思います。既に会社単位で行っているところもありますが、本会としても目的から考えると、この手のセミナーは単発で大々的に開催するのではなく、地域各所で支部や会員各社が主体となり小規模多発的に行われる草の根的な展開が良いのではないかと考えています。具体的な手法は希望する会員や支部と連携して計画することになりますが、来年の活動として行いたいと思います。

以上