2021/8/18第2回自立研関東ゼミオンライン終了しました~。

目からウロコの温熱学応用編。

基礎編に引き続き一社)ミライの住宅代表理事森亨介さんにお話しいただきました。

毎度毎度本当にタメになるお話です。

快適な温度湿度とは

理想的な温度湿度の関係表です。

で、図からも分かる通り快適の絶対湿度上限値は14g/kgだとすると、23℃80%の相対湿度は寒くてジメジメの典型的空間であることが一目瞭然。

 

夏場の低温高湿度対策で敢えての日射取得が効果薄なわけ

これは基礎編で解説いただきましたが、自分自身その時は非常に納得しておいて、要点を忘れてしまったので備忘録として^^

高湿度解消のため、エアコンの再熱除湿を使いたくないので敢えて日中窓に日射取得をさせて室温を上げる方法も確かに一つのアイデアではありますが、スライドからも分かる通り、水分量が上がってくる夜に高湿度傾向で、しかし、夜は日射取得ができない。

となると、日中取得をしてしまって冷房負荷をイタズラに上げたぶんだけかえってエアコンの負荷を上げただけになってしまう。

だから、それならセオリー通り日中はしっかり日射遮蔽して冷房負荷自体は下げておいた方が良いと。

 

そうか!その手があったか給気口位置

これも自分自身は本当に目からウロコでした。

計画換気の給気口をエアコンの給気口上に付けることで夏場の高温多湿な外気をまずはエアコンに混ぜさせると。

比較対象としてエアコンの吹き出し口付近に給気口をつけて後で混ぜるのとどちらが効果があるかといえば給気口前。

絶対湿度量が1g/kg以上違っていました。

ただ、エネルギー消費も多少上がってはしまっていますが、それでも微々たるものなのでこの除湿の効果を考えると再熱除湿を入れなくても一定以上の効果は得られるし、森さん自身もこの方法は非常におススメだと。

ただし、エアコン頻度が少ない場所ではメンテナンスの関係上無理にやる必要はないとも。

確かにそれはそうですね。

除湿のエネルギー消費も計算できる

ほぼずっと空気線図を見ながら色んな解説をしていただきまして、これもそうです。

除湿量を読み取ってそこからエネルギー量に換算して最後にkwで出せればより具体的で分かりやすい数値把握が出来ますよね。

Q値も完璧でない理由

これも前回基礎編で解説ありまして、UA値には換気による熱損失がないので実際のエネルギー消費が把握しきれない。

Q値には換気による熱損失があるから正確化といえばQ値にも熱損失から加湿が行われた数値が入っていないので本来の換気による熱損失ではないと。

このスライドの計算だと551w分の加湿エネルギーが計算されていないということになるんです。

やはり夏場の湿度はやっかい!

冬場の熱損失は大きく分けて外皮と換気(加湿)でシンプルなんですが、、、

夏場は外皮もさることならが除湿のためのエネルギーが外皮とほとんど変わらないってことに大注目です。

数値で具体化されると本当に分かりやすいですね。

断熱は夏場にも効くということは周知の通りですが、エネルギー消費・快適性を考えると、やはりこの湿度をいかに入れない、減らすかが本当に重要だということが分かります。

そして、更に『他』も外皮程度にある。他は内部発熱ですね。これは生活様式の工夫でも対策は取れそうです。

6畳用で大丈夫

エアコン選定も非常に重要ですね。

これもかなり周知の事実、コンプレッサーの種類が6畳、10畳、14畳の3種類なんだから、中途半端な畳数のを付けても根本性能は実は変わらない。

そして、更に高断熱高気密をしっかりやっているところは6畳用一択で良いのでは?と。

2台にするとか、保険的に3台にするとかの判断はそれぞれでしょうが、もう6畳用一択で良いという結論は全く持って同感だと思いました。

そして機器の効率は50%くらいがもっともパフォーマンスが良いと。

これも設備系の難しい本にしっかり書いてあるそうなので、この半分くらいの能力を常時出せるような環境がベストだそうです。

 

 

顕熱比率70%めざそう

これも高性能住宅アルアルでエアコンの能力を高いのを選んで一定温度ですぐ止まってしまう。

森さんが開発した”ケストレルのお供”で数字を入力するとその判定が出てきます。

顕熱比率70%を切ってくると止まってしまうリスクが上がってくるのでこれでチェックするのも方法。

ただ自分的には先の6畳一択が一番単純で効果アリだとは思ってますね(面倒なだけ??)

 

ということで今回もオンラインではありましたが非常に有意義なお話をしていただきまして森さん有難うございました。

参加者の皆さんもお疲れ様でした!