目からウロコの温熱学【基礎編】終了しました~。

2021年第1回目の関東ゼミ、森こうすけさん講師無事終了しました。

昨年はリアル開催に何とかこぎつけましたが、さすがに今年は全回オンラインになります。

秘技!フィルターましまし

お恥ずかしながら初めて聞いた言葉で、これは何かというとエアコンの吸気フィルターを1枚から2枚3枚に付け足すって技です。

なぜそんなことをするかと言えば、フィルターを増やして吸気量を減らすわけですね。

なぜそんなことするか?

それにより、冷媒に通過する空気量を減らして吹き出し空気も減るのでそこで通常より多く除湿させるわけです。

高性能住宅アルアルで、設定温度になると止まってしまうため室温は低いが湿度は高くて肌寒いけどジメジメするという結局不快が解消されない。

本来なら温度は高くて良いから湿度を下げたい。でも、エアコンの性質上出来ないのでユーザー設定でフィルターましましするという。

エネルギー消費量的に言うとこの使い方がどうなのか?という面はあるものの、確かに除湿は効果がある。

爆風モードは見かけAPFポイント高し

エアコン性能はAPFで競われてて当然APF数値が高い方が良いわけで、そこでメーカー各社が考えたのがこの発想。

扇風機とエアコンでは消費電力が雲泥の差。つまり扇風機のようにファンを大きく動かして空気温度を下げれば、冷媒管をフルに使って温度を下げるよりも効率は良いという原理からです。

だから風量を爆風にすればするほど冷媒管仕事を下げられてAPFが高くなるようにする。

逆に再熱除湿のように室温を下げさせないように除湿をするなんて機能を入れてしまえばAPFが格段に下がってしまう。

つまり、エアコンとしての評価が下がるので売らない、つくらないってなるんですね。

この辺は非常に悩ましい話です。

APFよりCOP

年間を通じての消費電力効率をうたうAPFに統一されて久しいですが、その前にはCOPが通常でした。

これも確かに年間使用するものならAPFで見るのが良いと一見思われがちですが、本来冬には暖房、夏には冷房するものなので暖房・冷房それぞれの効率を見る方が正確なわけです。

故に、プロはCOPでエアコンの性能を判別できる知識を持たなければならないと。

全くですね~。

加湿器は1階、除湿器は2階

空気や水蒸気の特性を知れば加湿器・除湿器を仮に1台だけ奥とすればどこに置けば効率が良いかが分かると。

空気は暖かくなればなるほど軽くなります。これは何となく日常生活でも普通に経験していることなので分かると思いますが、これは比容積が高くなればなるほど軽くなるからです。

温度が高くなればなるほど比容積も高くなるので上に上がる。

水蒸気でも絶対湿度が高くなればなるほど比容積も高くなる。

つまり、湿った空気も軽くなって上にあがる。

冬場加湿をしたいなら1階に加湿器を置けば上に上がって1階⇒2階に配りやすくなるし、

逆に夏場除湿したければ上に上がってくる性質の水蒸気だから2階でキャッチすれば効率が良いと。

これもかなり目からウロコ!!

ここもダメだよファンヒーター

そもそも部屋の空気を汚してしまうファンヒーターは高性能住宅ではご法度中のご法度暖房機なんですが、それ以外にも先の爆風モードではないですが、吹き出し温度が100℃くらいあると比容積も高くなってすぐに上に上昇してしまいます。

ファンヒーター使うくらいだから家の性能は低断熱低気密。

すると、寒い足元・床を暖めたいのにすぐに上昇してしまい天井ばかり暖かくなって肝心なところが寒いまんま。

空気は汚れて寒いまんま、しかも灯油もバンバン使って、、、これは最悪としか言いようがありませんね。

次回も超楽しみ!

応用編って言っていいくらいのハイレベルな基礎編でしたが、次回8/18はこれを基に理想的な空調方式や換気方式はどういうものが良いのか?を具体的にレクチャーいただきます。

これも絶対に見逃せませんね。

森さん、貴重なお話をありがとうございました。

参加者の皆さんもありがとうございました。