今年最後の関東ゼミもオンライン開催でした。
①(株)利昌産業 薗田仁志氏『□+L+輻射』とやらの性能を見せてもらおうか!〜床下換気、輻射式冷暖房と当社デザインの可能性の検証〜
トップバッターは(株)利昌産業の薗田さん。
タイトルから我々世代は興奮しました^^
基礎断熱+床下全熱交換を採用していて、基礎立ち上がりの障害がどれくらいあるのかを知るために床下には本体近くとそこから10mくらい遠くの2箇所設置。
本体近くで21℃10mくらい離れた箇所で23℃くらいで2℃くらいの差がありました。またその時にリビングが26℃くらいでこの3℃を室内に持ってこれれば冷房負荷が下がります。
床下温度23℃説はだいたいどの家も同じような感じですね。
改善策としてはやはり、はやりのブースターファンで持ち上げるのがもっともコスパが良いかなということでした。
来年の発表は同社エースを投入してくれるそうで、そのパフォーマンスとやらを見せてもらおうか!
②TOCORON 田所浩樹氏『夏のペレット活用術 』~真夏のアバンチュールが湿気を吹き飛ばす!?~
2番手は当日まで入院していて、病室で資料をつくりあげてくれた初発表の田所さん。
アバンチュールは危険な火遊び。
湿気を飛ばすためにペレットの火を使ったり色々実験の測定発表。
UA0.26w/㎡Kの性能にダクト式全熱交換機、そこになぜか?8kwのエアコン搭載。
除湿器を1階に置いたり2階においたり、ペレットをつけたりと。
やはり8kwエアコンで2階は温度も湿度も良いゾーンで、それだけに1階に除湿器を置いた方が効率よく家全体が除湿出来た感じになりました。
8kwエアコンでなければ結果も違ってきたんだとは思いますね。
ペレットを焚くとさすがに湿度が50%近く下がりましたが、エアコンドライや部屋干し時間の変更、食洗器時間の変更等の生活工夫で焚く必要はないのだろうという見解でした。
冬の測定や8kwを2,2kwくらいに変えたらどうか?というようなseason2決定の発表をしていただきました。
③(有)家づくり舎ファミリー 谷田貝進氏『実測!! 30.5坪の家はエアコン1台で、どこまで冷やせるのか?期待と不安が入り混じる運命の1週間』〜6畳用エアコンの夏〜
3番手もこれまた初発表の谷田貝さん。
結論から言うと6畳用で余裕の快適温度湿度が得られていました。
こちらもUA0.26w/㎡Kと同じ外皮で8kwに対して2.2kwと好対照な事例となりました。
近い場所で温度は同じなのに湿度がウォークインクローゼットだけ少し高くなっていてそこが何故か分からないなと。
グループディスカッションで分かったことは全体の空気容積量の違いでクローゼットが高いというよりもリビングの大空間容積関係だろうと。
よく考えてみると当たり前かな。
ここに消費電力の考察が入ると更に深いものとなりますね。
ということで谷田貝さんもseason2決定w
④ささ木暮らし設計 佐々木努氏『エネルギー循環あれこれ』~住まいの普遍、暮らしのらしさ~
4番バッターは大ベテラン事務局長佐々木さん。
前年発表の物件の深堀。
夏小屋裏エアコンと冬ペレットストーブでどれくらいの温度湿度とエネルギー消費量が得られるか?
結論的には連続運転もいいのですが、非連続でもある程度の快適性は得られるので、その辺りを住まい手さんに提案していこうと。
ここでも具体的なエネルギー消費量が分かると更に違いが分かってくるでしょうね。
また、別の物件で躯体性能が悪い家で1階に6.6kwのエアコンがついていたので、それを2階の吹き抜けに移動してこれをメインにしつつ、元あった場所に2.2kwを新設して温度村を解消しようと提案してそれを実現してもらったところある程度狙い通りの快適性になったと。
この辺りのアドバイスができるのはこういう実測と経験の賜物だと思いますね。
⑤大竹工務店 大竹俊光氏『市販壁掛エアコン×床下熱交換換気による全館空調の検証 Season3 』~データの沼の真犯人は誰?~
大トリは昨年トップバッターだった大竹さんのseason3完結編。
season1で色んな課題が出てseason2でその改善点を測定して狙い通りの結果が得られて、更に改善点を施しての今回。
データを見てビックリ!
なぜが2より3の方が少し結果が悪い。
ここで大竹さんが沼にはまってしまいました。
ある程度の仮説を考えながら住まい手さんにヒヤリングをしたら、「な~んだ」というようなオチ。
数値は少し悪くなりましたが快適性には全く問題がなく、まずはお子さんが生まれた&巣ごもりで家にいる時間が長くなった。
それと、これが最大の真犯人だったわけですが単純にエアコンの設定温度を夏は24℃(前年20℃)冬は26℃(前年28℃)いずれも風量「弱」ということで、そりゃ~数字は悪くなるよねと。
でもそれでいて快適だったということですからエネルギー消費が抑えられて快適性がキープできたのは素晴らしい結果です。
まとめ!
2010年にスタートした関東ゼミも今回で11回目の事例発表でした。
当時と比べて一番の違いは外皮性能です。
まさにG1からG2,G3へ飛躍してきました。
外皮性能が上がると連続空調の方がエネルギー消費量は下がって来ます。
エネルギー考察が全体的に足りていないので来年以降はキッチリ課題として見ていかなくてはいけないですね。
また、【連続運転礼賛】もこれまた考えもので、佐々木さんのように非連続でも快適性が得られるならその方がいいじゃないか!ということはとても重要です。
だからこそのエネルギー消費のデータをしっかり把握しなくてはいけないわけですね。
そして、その貴重な得られたデータや事実をみんなで共有して、それを各地で更に深堀してまたここに持ってくる。
この繰り返してどんどんどんどん効率が上がり、エネルギーダイエットも可能になってくる。
ボクサーの減量と同じでそもそもの低体脂肪率から更に絞り込んでいく感じか?まだまだボクサーまでの身体になっていないか?
それぞれが自問自答し、常に向上を忘れない。
自立研関東ゼミは反復学習の上にこういった事例発表があることでPDCAをグルグルさせていける絶好の場です。
来年はリアル開催できると思いますのでまだ来たことのない方は是非是非まずはだまされたつもりで来てみてください。
こんなファンキーなメンツ☟でやってます。
あなたが探し求めていたものがきっとあるはずです(^_^)/