2016/10/18第4回関東ゼミ終了しました。

今年最後の関東ゼミ無事終了しました。

今回が関東ゼミ初の講師にも参加いただいての事例発表です。

講師は第2回にもご登壇いただいた東大前准教授。

せっかくお越し頂いたのでちゃっかり講演もお願いしました。

「通風夏旨から冬旨一周して真の夏旨を」と題して夏の詳細分析をレクチャー。

地球温暖化の影響でどんどん暑くなっていき、冬対策よりも夏対策が重要になってくるといういみで「一周」してという表現になっています。

 

断熱気密して暖かくするのは簡単

むしろ、この温度上昇と室内快適性をいかに少ないエネルギーで解決するか?

快適性はひとそれぞれなのでデンマークで開発されたPMVという方式で測定して90%の人が快適と思える数値が得られればほぼクリアしてるのではないかと。

うだるような高温と湿度を窓から入れても不快なだけで、やはりそこは高効率エアコンを入れて、一定速運転で過ごす方が健康の為にも良い。

”エアコン悪”という悪観念?をそろそろ変えていかなくてはならないと。

ただ、それには正しい機種選定と設置場所が重要でその辺をお得意のサーモカメラと動画で非常に分かりやすく解説いただきました。特に動画は本当にリアルでこれなら一般の方にも一発で説明がつきます。喉から手が出るほど欲しい動画です^^

事例もお持ちいただきましたがトップバッターが前先生だと後続の発表者が心折れてしまうので、トリにまわっていただきました。

『築10年 ローコスト建売住宅に住む共働き家族の家庭円満の為、何をすべきか?再々』佐々木努さん(ささ木暮らし設計)

事務局長をしながらトップバッターをつとめていただいたのはささ木暮らし設計の佐々木努さん。

昨年から引き続きの自宅断熱改修調査です。

従前と比べて夏の快適性は格段に向上して、エアコン運転で室温は下がるが湿度は再燃除湿しないので高くその微妙な体感の感覚は分かったと。

今後、何らかの工夫でこの点も解消していきたいと。

断熱レベルも上がっているので冬の測定が楽しみですね。

『夏期における通風(パッシブデザイン)の効果』齋藤真悟さん(斉藤建設)

今回初挑戦の(株)斉藤建設の斉藤さんは緊張しているとおっしゃっていましたが初には見えない堂々の発表でした。

生まれだった地に自宅を建ててパッシブデザインがどれくらいの効果を得ているか?の調査。

昔から夏の卓越風を知っていたので特に痛風を意識した設計をし、その効果やいかに?

不在時の締め切りと在宅時の通風で温度差2~3℃くらいの効果ははっきり出たと。

しかし、前先生は排熱は出来ていても”涼”が取れていないと本当の通風ではないと。鋭くツッコミ。確かに・・・と納得。夏場の高温多湿な空気を通すことが果たして万人に快適なのかどうか?ここは個人差もありますし、判断は分かれますよね。

ただ、客観的科学的に評価するPMVなら、夏場はやはり閉めて高効率冷房がその答えなのでしょう。

『パッシブデザイン手法に基づいた住宅設計~エコとデザインの両立を目指した心地良い住まい~』小嶋直さん(co-designstudio)

 

co-designstudioの小嶋さんも2年連続発表で昨年は冬考察で今年は同物件の夏考察。

そよ風を搭載していて日中時の排熱、夜間時の涼風取り込みがどれくらい働いているか?

2Fリビングが生活空間でそこに関しては外気温が35℃を超えても28℃前後と良い結果になっているが、その他の部屋に関しては思ったよりは良い数値は出ていなかったと。

また、冬の温度は少し低くなることもありその点は改善の余地あり、ただ、お施主様からは「気持ち良い」の感想をもらえたので、数値だけは測れない感覚も大切だと感じたと。

自物件の改善データが見れると良いですね。

 

『温熱環境の実測と消費エネルギーの考察』森本周子さん(もりちかぐみ)

トリは関東ゼミスタッフ森本さん。こちらも昨年同物件のデータ。

前先生の「エコハウスのウソ」を読んで吹き抜けの温熱環境をどのように考えたらよいか迷っていたので実際の数値を調べてみたかったと。

今年ペレットストーブを設置したので吹き抜け部での表面温度測定、夏期温湿度測定をやった。

発表者4名中3名がペレットストーブ事例を出したので前先生も素朴に「なぜペレットを?」という質問も飛び出したくらいです。エアコンでもペレットでも躯体性能をあげないことには温度ムラが荒れてしまうと。

 

 

『川越4物件実測概要』前先生

やはり、オオトリになっていただいて良かったです。川越の躯体レベルの異なる戸建て4物件の考察とそれを比較したグラフは本当に分かり易く一目で数値の違いが分かりました。

詳細を解説するのはおこがましいので割愛させていただき(^^;

全体の感想としてPMVや色んな数値測定もあるが、結局は「日当たりが良い」「風通しが良い」という一般的な感覚にフィットするような温熱環境の家が一番良いし、数値だけに縛られて住みにくい家が出来てしまっては本末転倒なので、今回4事例とも住まい手の住み心地の良さが伝わってきたのでそこは素晴らしいことだと思いますし、今後もその心を忘れずに家づくりをしていってほしいと締めくくっていただきました。

参加率70%越え!お楽しみ懇親会

ある意味これがメイン?の参加者もいるのではないかと思われるくらいの参加率は本当に嬉しいし楽しいです。

所要があり途中参加の前先生に再度乾杯の音頭を。

前先生は翌日健康診断とのことでお酒はナシ(残念)。

超真剣に前先生の話に聞き入る発表者二人。ダメ出し?お褒めの言葉??

 

何はともあれ無事関東ゼミ終了いたしました。

これもひとえに参加者の皆様スタッフの皆様のおかげです。

来年も更にパワーアップした関東ゼミを是非ご期待くださいませ(^^)/